前略プロフィール

ふと思ったけど自分達が中学生とか高校生くらいのときはまだそんなにSNSというものが普及していなくて、同世代でそれに代わるようなものは前略プロフィールが主流だった。

 

前略プロフィールって基本中高生がこぞってやっていて大人はほとんどやっていなかったように思う。中高生って私の中では一番調子に乗っていたというかすべてを俯瞰できていなかった時期で、今こうやって当時のことを省みることができているからそれは真っ当な成長過程だったのかもしれないけれど、そんな時期に書いたものはいわば黒歴史そのもので、そんなものがワールドワイドウェブ上に公開されていると思うとゾッとする。

とはいえ前略プロフィールは私が高校を卒業するくらいには次第に廃れはじめて、いよいよ何年か前にサービスを終了したみたいだから基本的にはもう見られないはずなので安心なのだけど、そもそも前略プロフィールってツイッターとかインスタグラムみたいなSNSと違って中高生間での一時的なブームで、そこでの絡みに大人が介入してくることはほとんどないに等しかった。検索はできるけど不特定多数の知らない人達に見られる割合っていうのは今のSNSと比べるとおそらくかなり低くて、逆に全く知らない人のページを見に行ったり書き込みしたりなんてこともほとんどなかったし、今ほど気軽に日常を垂れ流すような文化もそこまでなかったように思う。

プロフィールというだけあって個人情報を書く欄もわりとあったし、一応全世界に公開されているのにこの閉鎖的な感覚は今思えばもしかしたら結構危険だったのかもしれないけど、ツイッターとかインスタグラムってかなり不特定多数の他人の目に触れる可能性が高いし、なんならたくさんの人の目に触れることが善しとさえされているのを見ると、自分が中高生の頃SNSがこれほど普及していなくて本当によかったと心底思う。

 

他の人がどうかは知らないけど、少なくとも中高生のときの自分は今よりもっとネットリテラシーが希薄で、今ほどまわりのことを意識せずにインターネット上にいろいろ載せたりしていたし、それが赤の他人に見られるであろうこととか、見られたらどうなるかとかそこまで深く考えて行動できていなかったと思う。

ある程度分別がつくようになった高校3年生の後期くらいにツイッターをはじめたような気がするけど、もちろん個人情報が特定されるようなものは一切公開していないし、今見てヤバイなというようなことは書いていない(と思う)。

 

今の子の多くは社会やインターネットというものがよくわからないままツイッターやらインスタグラムをはじめて、そのままいわゆる黒歴史のようなものを世界中に垂れ流していて本当に可哀想だ。それが私と同じように成長過程だと言われたらそうなのかもしれないけど、不特定多数の目に触れて記録や記憶に残っている(かもしれない)という事実は一生消えないのでキツそう。

 

LINEも今はなくなったら困るくらい日常的なツールになってるし、昔からあったら便利だっただろうなとも思うけど、やっぱり中高生のときに流行ってなくて本当によかったな。

好きな人の着信音変えたり、センター問い合わせ(だっけ?)しまくったり、メールの「Re:」がどんどん増えていって満足したり、みたいな懐古的な趣の部分ももちろんあるけど、もしLINEが普及してたらきっとイジメとまではいかなくてもそういうような悪しきことにも絶対に利用したりされたりしていただろうし、無駄な諍いや心労が増えそうで嫌だ。

 

そんなことを考えたりして、私は私の生まれた時代に生まれてちょうどよかったなと思うことがしばしばあるんだけど、自分より上の世代や下の世代はどう思っているのか気になる。みんな同じように自分の世代が一番いいと思っているのかな。そうだとしたらそれは平和でとてもいいけど。